12月2日、東京コンベンションホールで開かれた『共感価値の設計図』出版記念講演に、経営者・人事責任者ら約90人が集まり満席となりました。能力と理念共感の2軸で人材をA~Dに分類し、“能力高×共感低”のC人材が若手の意欲を削ぎ「静かな退職」を招くとの指摘が最大の論点です。質疑は撤収時刻まで続き、現場の危機感が浮き彫りになりました。
講演では、C人材の冷笑的態度がB人材に伝播する構図を解説しました。AI普及でスキルがコモディティ化する2025年以降は、共感に根差した動機付けが競争力になるとの見解です。
一方、日本のビジネスパーソンの52.6%が社外学習・自己啓発を行っていないという数値も示され、賃上げや福利厚生、短期研修といった対症療法は効果が限定的との課題認識が共有されました。解として、行動経済学と組織心理学を基盤に、ナッジ理論で内発的動機を制度に組み込む「根本教育」を提案しています。
参加者からは、人的資本経営の投資ロードマップが具体化した、テレワークで弱ったOJTに先立つ「人間力」教育が要る、C人材対応に踏み込む必要がある、などの声が相次ぎました。
今後は、離職率やエンゲージメントスコア、育成速度などの指標で効果検証を進め、C人材の是正策とB人材の育成を両輪で設計できるかが焦点です。各社の文化や事業特性に合わせた実装が成果を左右するとみられます。
【書籍情報】
タイトル:共感価値の設計図 ~まだ知られていない、”理念”の本当の価値とチカラ~
著者:関野吉記
公式サイト:https://www.imajina.com/
source: PR TIMES
